リボンと王子様
妖精になった日
「まぁ、穂花ちゃん!
素敵だわ!」
大きな鏡の前に座る私に向かって公恵叔母さんが感嘆の声をあげた。
「穂花ちゃんは姉さんに似て肌は白いし、瞳も大きいから、このアイシャドウが似合うと思っていたのよ!
瞳の色にピッタリでしょ?
本当に妖精みたいね、可愛いわ」
「そうですねぇ、顔のパーツのひとつひとつがとても整ってらっしゃいますね。
公恵さんが選ばれたこの口紅もよく似合ってますね」
私にメイクを施してくれた女性がチークブラシを片手に微笑んだ。
「……いや、叔母さん。
いくらお祝いだからってこんな本格的にしてくれなくても……」
口ごもる私に叔母さんは全否定する。
「やだ、何言ってるの。一生に一度の成人のお祝いなんだから!
バッチリ綺麗にしてお食事に行きましょう!」
「公恵さん、穂花さんの髪は如何されます?」
「そうねえ……普段とは違う感じに仕上げたいから……。
腰くらいまでのロングヘアを緩く結い上げる、みたいな感じにしましょうか?
前髪も部分的にウィッグを使いたいわ。
ロングのウィッグあったわよね?」
「ええ、用意してあります。
穂花さんの髪の色に合う筈ですけど……」
現在、肩くらいの長さの私の髪をすきながら、二人は色々と意見を重ねる。
お祝い、というより完全に楽しんでいる二人。
その様子を鏡ごしに見つめながら、小さく嘆息した。
素敵だわ!」
大きな鏡の前に座る私に向かって公恵叔母さんが感嘆の声をあげた。
「穂花ちゃんは姉さんに似て肌は白いし、瞳も大きいから、このアイシャドウが似合うと思っていたのよ!
瞳の色にピッタリでしょ?
本当に妖精みたいね、可愛いわ」
「そうですねぇ、顔のパーツのひとつひとつがとても整ってらっしゃいますね。
公恵さんが選ばれたこの口紅もよく似合ってますね」
私にメイクを施してくれた女性がチークブラシを片手に微笑んだ。
「……いや、叔母さん。
いくらお祝いだからってこんな本格的にしてくれなくても……」
口ごもる私に叔母さんは全否定する。
「やだ、何言ってるの。一生に一度の成人のお祝いなんだから!
バッチリ綺麗にしてお食事に行きましょう!」
「公恵さん、穂花さんの髪は如何されます?」
「そうねえ……普段とは違う感じに仕上げたいから……。
腰くらいまでのロングヘアを緩く結い上げる、みたいな感じにしましょうか?
前髪も部分的にウィッグを使いたいわ。
ロングのウィッグあったわよね?」
「ええ、用意してあります。
穂花さんの髪の色に合う筈ですけど……」
現在、肩くらいの長さの私の髪をすきながら、二人は色々と意見を重ねる。
お祝い、というより完全に楽しんでいる二人。
その様子を鏡ごしに見つめながら、小さく嘆息した。