リボンと王子様
それから更に半月程が過ぎ。
ジメジメした雨が続く季節がやって来た。
梅雨入りが発表され、天気予報では連日雨マークが並んでいた。
気温はまだ夏本番というほど高くはないけれど、ジットリとした湿気が漂う日が多くなっていた。
勤務のために着用している服を半袖に変えた以外、私は相変わらずの毎日を送っていた。
嬉しくはないけれど、変装にも慣れて。
自分のリズムで仕事をこなせるようになってきた。
一ヶ月前に危惧した『葛城穂花』を千歳さんが探しているという件も、あの日以来何の進展もなく。
田村さんも、千歳さんに何にも言われていないと言っていた。
本気で探していたわけではなかったのかと安堵する私と何故か胸の痛さを覚える私がいた。
ジメジメした雨が続く季節がやって来た。
梅雨入りが発表され、天気予報では連日雨マークが並んでいた。
気温はまだ夏本番というほど高くはないけれど、ジットリとした湿気が漂う日が多くなっていた。
勤務のために着用している服を半袖に変えた以外、私は相変わらずの毎日を送っていた。
嬉しくはないけれど、変装にも慣れて。
自分のリズムで仕事をこなせるようになってきた。
一ヶ月前に危惧した『葛城穂花』を千歳さんが探しているという件も、あの日以来何の進展もなく。
田村さんも、千歳さんに何にも言われていないと言っていた。
本気で探していたわけではなかったのかと安堵する私と何故か胸の痛さを覚える私がいた。