リボンと王子様
寝室に足を踏み入れた途端。
血の気がひいた。
何かを落とした記憶はあったけれど。
まさか、それが。
千歳さんに言われていた引き出しだとは気付いていなかった。
眼前に黒い棚から落ちた引き出しがひっくり返り、中身が無惨にも床に散らばっていた。
幸いにも、ベッドを囲むように敷かれた、グレーの毛足が長いラグの上に落下したおかげで、フローリングに傷はついていなかった。
引き出し自体に破損もなかった。
問題なのは。
千歳さんに触れないよう禁止されていた引き出しに触れてしまったということ。
「……どうしよう……」
ノロノロと足を動かして、中身を拾う。
数枚の封筒と透明な立方体のケース。
封筒は何かの招待状らしかった。
ケースは私の片手に乗るくらいの正方形のものだった。
ケースに破損がないかを恐る恐る触れながら確認した。
破損はなく、中身を覗いた時、息が止まった気がした。
血の気がひいた。
何かを落とした記憶はあったけれど。
まさか、それが。
千歳さんに言われていた引き出しだとは気付いていなかった。
眼前に黒い棚から落ちた引き出しがひっくり返り、中身が無惨にも床に散らばっていた。
幸いにも、ベッドを囲むように敷かれた、グレーの毛足が長いラグの上に落下したおかげで、フローリングに傷はついていなかった。
引き出し自体に破損もなかった。
問題なのは。
千歳さんに触れないよう禁止されていた引き出しに触れてしまったということ。
「……どうしよう……」
ノロノロと足を動かして、中身を拾う。
数枚の封筒と透明な立方体のケース。
封筒は何かの招待状らしかった。
ケースは私の片手に乗るくらいの正方形のものだった。
ケースに破損がないかを恐る恐る触れながら確認した。
破損はなく、中身を覗いた時、息が止まった気がした。