サヨナラは何色でしょうか
握る手
『ピッピッピッピッ』
彼女がまだ生きている事を知らせる機械音が一定のリズムを刻む。
そっと彼女の手に触れてみる。
あぁ、温かい。まだ温かい。生きてるんだ。そう感じて俺はホッとした。
けれど、その温もりとは反対にピクリとも動かない体。開く気配のない瞼。
「ねえ、日向子。いつになったら目を覚ますの?」
そっと零れ落ちた言葉は彼女には届いていないだろう。
沢山のチューブに繋がれ生きている彼女。
目を閉じたままもう、3年が過ぎた。
この3年間俺は毎日彼女の手を握っている。
早く起きて?目を開けて?ずっと思いを込めながら手を握る。
それでも彼女は目覚めない。
ガラガラと扉が開く音がして病室に看護師さんが入ってくる。
「佐山さん、今日もいいお天気ですねー」
何でもない言葉を日向子にかけながら点滴や他のチューブを変えていく。
その後、日向子の服を着替えさそうと服のボタンを外し始めた。
日向子の胸元にある痛々しそうな傷跡。
それにそっと触れると心拍が伝わってくる。 それと同時に俺の心はズシンと重くなった気がした。
彼女がまだ生きている事を知らせる機械音が一定のリズムを刻む。
そっと彼女の手に触れてみる。
あぁ、温かい。まだ温かい。生きてるんだ。そう感じて俺はホッとした。
けれど、その温もりとは反対にピクリとも動かない体。開く気配のない瞼。
「ねえ、日向子。いつになったら目を覚ますの?」
そっと零れ落ちた言葉は彼女には届いていないだろう。
沢山のチューブに繋がれ生きている彼女。
目を閉じたままもう、3年が過ぎた。
この3年間俺は毎日彼女の手を握っている。
早く起きて?目を開けて?ずっと思いを込めながら手を握る。
それでも彼女は目覚めない。
ガラガラと扉が開く音がして病室に看護師さんが入ってくる。
「佐山さん、今日もいいお天気ですねー」
何でもない言葉を日向子にかけながら点滴や他のチューブを変えていく。
その後、日向子の服を着替えさそうと服のボタンを外し始めた。
日向子の胸元にある痛々しそうな傷跡。
それにそっと触れると心拍が伝わってくる。 それと同時に俺の心はズシンと重くなった気がした。