好きです、センパイッ!!


「……先輩は男だけど優しいじゃないですか」






小さく呟いた。


チラリと先輩に視線を移すと、呆れたように私のことを見てる。



それからまたため息をついて、「小春」って名前を呼んだ。



……先輩に名前を呼ばれるの、嬉しい。



好きな人に名前を呼ばれたら、誰だって嬉しいでしょ?




だから、そうやって手招きされたら簡単に近づいちゃうんですよ。







「……っ、うわ!?」







いきなり手首を掴まれて、壁に押し付けられるなんて、

誰が想像しますか。



不意打ちですよ。本当にずるい。





「あ、のっ、先輩近い……!!」





ドクドクっていう自分の心臓の音が大きくて、

先輩との距離も数十センチしかなくて。


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