好きです、センパイッ！！

「……おい」





その時聞こえてきたものすごく低い声に、ビクッと肩が上がる。


ゴクリと唾を飲み込んだ。



不思議そうな顔をして教室の後ろの扉を見た柚木。





「あ、おはよう睦月。随分と遅い登校だね」





恐る恐る柚木の後ろから覗いてみると……。






「小春、お前ちょっとツラ貸せよ」


「ヒッ！！？」






怖い顔で私のことを睨んでいる睦月とパッチリ目が合ってしまうわけで。



あ、あはは、睦月ったら怖いよ？

可愛い顔が台なしだぞっ！？





「……アンタ睦月に何したの？」


「え、えへっ、そのぉ、なるみさんのことで頭いっぱいになっちゃってね」


「で？」


「睦月のこと、置いてけぼりにして帰っちゃった！！」