好きです、センパイッ!!


***


放課後の3年生の階の廊下は、静かだ。

先輩の教室の前で立ち止まって、深呼吸をする。




「先輩!こんにちは!」




ガラッと扉を開けると、先輩はイヤフォンをつけて音楽を聞いていた。


そのせいか、私が来たことに気づいていなくて。



問題集にシャーペンを走らせている。



いやね、勉強するのは良いことだよ?

先輩は受験生だし、もう少しで期末試験も始まるし、良いと思うんだ。



でもでも!

せめて先輩!私に気づいてくださいよ!





「もうっ、先輩、小春が来ましたよー?」





ふくれっ面をしながら、先輩の肩を叩くとやっと気づいてくれた。




「……なに、お前も聴きたいの?」


「……」


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