好きです、センパイッ!!
私が不機嫌になっている理由は、そんなんじゃないんだけどな。
でも、「ん」ってイヤフォンを渡されたら断れないし。
先輩のイヤフォン、正規ルートでつけられるチャンスだし。
「……し、失礼します」
「はいどーぞ」
座っている先輩の横にしゃがんで、イヤフォンを耳に装着。
流れているのは、知らない人の曲。
ドラムやギターの音とかからして、バンドっぽいけど……。
「先輩は、この曲よく聴くんですか?」
「ん。このバンド好きだから」
よくよく思い出して見ると、教室に来るたびに、先輩はイヤフォンをつけて音楽を聴いてることが多かったっけ。
その時もこのバンドの曲を聴いてたのかな。