好きです、センパイッ!!


***


『小春、本当に行くの?』

『うん。もうこの方がいいと思うんだよね』




放課後、誰もいなくなった教室で、私は静かに深呼吸をした。


柚木、心配してたな。

いつもは冷たいくせに。ツンデレめ。



大丈夫、大丈夫。


結果は分かってるんだから。

だから、こんなに緊張することなんてないんだから。



廊下を歩いて、先輩の教室へ。

扉の前に立って、ゴクリと唾を飲み込んだ。




……結果は分かってるのに、それでも気持ちを伝えるなんて、

なんて怖いことをしようとしてるんだ、私は。



もう前みたいに、お話をすることも出来ないかもしれない。

今日みたいに私に会いに来てくれることも、笑いかけてくれることも、

なくなっちゃう。


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