好きです、センパイッ!!


でも、しょうがないんだもん。

こうでもしなきゃ、私は先輩のことを忘れられないし、前にも進めない。



よし、いこう。



きっとこれが最後になる。

扉に手をかけて、ギュッと目をつぶった。



ガラッと扉を開けた先に、当たり前だけど先輩がいた。



窓側の、あの席。

イヤフォン付けて、頬杖ついて、今日は窓の外を見ている。




カッコいいな。

こうやって、私のことを待っていてくれる優しいところ、すっごく好きだ。




「高広先輩」




名前を呼ぶと、先輩は私のことを見た。


片耳にだけつけていたイヤフォンを外して、「おう」って。

高過ぎず、低過ぎないその声も、大好きです。


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