好きです、センパイッ!!


困ったように眉を寄せる。




「……っ、ひっく…すみません……」




そんな顔をさせてしまうのは、私が泣いてしまっているからだろうな。


先輩のこと困らせるつもりはないんです。

でも涙が止まらないんだから、しょうがないじゃないですか。






「……ごめん」






しばらくしてからそう言った先輩。


……大丈夫、分かってた。

そう言われること、分かってた。






「……先輩が幸せなら、小春も幸せです」


「……」


「だから、なるみさんとお幸せに……!」






精一杯の笑顔を向けて、私は先輩の教室を出た。



絶対ブサイクだったと思うけど、先輩、それは勘弁してくだいね。

あの状況でキレイに笑ってみせるなんて、小春にとっては至難の技です。


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