好きです、センパイッ!!


***


全ての授業が終わった放課後の帰り道が、1番困る。


だって、柚木はバイトで忙しいから大抵1人で先に帰っちゃうし。


誰かといないと、先輩のことをどうしたって考えちゃうもん。



……そうだ!

こういう時は音楽を聴こう!それがいい!




駅までの道のりで、歩いてくる人にぶつからないようにイヤフォンを耳につけた。


音楽アプリを開いて、1番上の曲をタップする。

もちろんシャッフルモード。



ブレザーのポケットに両手を入れて、はぁ、と息を吐いた。




……私のバカ。

ラブソングばっかダウンロードしてるんじゃないよ!





『先輩が好きな曲だから、好きです』


『ふ、理由がそれ?』


『私にとっては十分な理由ですよ』


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