好きです、センパイッ!!


「小春」



不意に名前を呼ばれたから「なに?」と聞くと、

柚木は心配そうな顔をしていて。



「その……大丈夫?」



柚木が言っているのは、きっと高広先輩のことだ。

カフェで起きたことをその日のうちに電話で話した時も、すごく心配してたっけ。



「大丈夫だよ!」



あの時のことをまだ引きずっているんじゃないかって、きっと気にしてくれてるんだと思う。


そうだなぁ……しいて言うなら、先輩を忘れるために睦月のことを利用としていることが、

今は心苦しいかな。



「あ、HR始まっちゃう。またね、柚木」



自分の席に座って、頬杖をつく。



『先輩のこと、忘れさせるって、約束してくれる…?』


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