好きです、センパイッ!!
睦月と付き合うことになった。
でも、今までもずっと一緒にいたから、クラスの子達は気づいてないと思う。
このことを知っているのは柚木と、
『俺ら付き合ってるんで』
高広先輩ぐらいだ。
ギュッと手のひらを握りしめる。
自販機で飲み物を買おうとした時以来、先輩とは会ってない。
ずっと避けてたんだけど、偶然会っちゃったんだっけ。
『小春?』
『っ、おい』
触ったり、名前を呼んだり、そういうことを気安くしないでほしい。
先輩にとっては何気ないことでも、私はそのせいでグラグラと揺らいでしまう。
せっかく前に進むって決めたのに、あっという間にその決意が崩れてしまいそうで、怖い。
「おい、聞いてる?」
コツンと頭を軽く小突かれてハッとした。