好きです、センパイッ!!
「小春?」
「あ……」
靴箱にはもう睦月がいた。
慌ててパッと笑って見せる。
「ご、ごめんごめん!ちょっとトイレ行っててさぁ!」
「いや、別にいいけど」
リュックを睦月に渡して、「帰ろっか!」と言うと彼は眉を寄せた。
その表情にピクッと肩が上がる。
「俺に、言いたくないこと?」
いきなりこんなことを言うから、やっぱり睦月はすごい、なんて、
頭の片隅でそう思った。
私が先輩のこと隠そうとしたって、睦月にはバレちゃう。
「や、そういうわけじゃ、ないんだけど」
「何があったの」
頭を撫でられて、顔を覗き込まれて。
優しい声に、じんわりと目頭が熱くなった。