好きです、センパイッ!!


「大丈夫、私もすぐ行くからさ」

「う、うん……」



そう言われたら従うしかないじゃん。

2人の様子を気にしながら、私は化学室へと向かった。



……私、柚木のあんな怖い顔、初めて見たかもしれない。

だって、基本的にドライだし、何かに関心を持つこともあまりないクールビューティなんだもん。



「やっぱり気になる……」



柚木も、高広先輩も心配だ。

くるりと方向転換をする。

元来た道を戻ると、2人は向き合いながらさっきの場所にいた。


なにか話してるみたいだけど……。




「あの子、騒がしくて、アホで、本当にどうしようもないバカですよね」




聞こえてきたのはこんな言葉。

……なんて言っているのかと思えば、柚木、それは私の悪口だよね!?


< 304 / 442 >

この作品をシェア

pagetop