好きです、センパイッ!!


「だから、今更ちょっかいかけるようなこと、しないでください」


「……今更、ね」



ふ、と小さく笑う先輩。

その顔は、とても悲しそうで。思わず眉を寄せる。


どうして先輩が、そんな顔をするんですか?



柚木も驚いたのか、一瞬目を丸くした。



「……2人の邪魔は、しないでほしいんです」



だけど、もう一度先輩に言い聞かせるようにゆっくりと言葉を放つ。

それでも、先輩はそれ以上何も言わない。




「……一つ、聞きたいんですけど」

「なに?」


「高広先輩は、なるみさんと付き合ってるんですよね?」




一瞬、息が止まった。

私が気にする理由なんかもうないはずなのに、ドキドキと心臓がうるさい。


廊下から死角になっている角。

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