好きです、センパイッ!!
そこから覗き込むように2人の様子を見ている私は、周りから見たらきっと変な人だ。
……先輩は、なんて答えるんだろう。
「って、違うでしょ、私」
先輩がなるみさんと続いていようがいまいが、私にはもう関係ない。
……関係ないんだから。
先輩が口をゆっくりと開いた。
無意識に教科書を持つ手に力が入る。
「────……」
キーンコーンカーンコーン──。
肝心なところで鳴ったチャイムによって、先輩の声はかき消された。
「……それ、本当ですか?」
「ここで嘘ついてどうするんだよ」
「……」
柚木には聞こえたみたい。
すごく驚いてるけど……。
「……小春には、言わないでください」