好きです、センパイッ!!


どうして、今、そんなことを言うの……?




「……俺のことが好きって気持ち、もう忘れた?」

「っ、」

「なぁ、なんとか言えよ」




高広先輩が好き。
そんな気持ちは、忘れた。忘れた、はずなのに。



「……やめてください……」



嫌なんだ。

これ以上心をかき乱されるのは、もう嫌。


私のことをずっと想ってくれた睦月を、不安にさせたくない。



……"不安にさせたくない"。

これって、本当に本当の"好き"?




「……じゃあ、嫌だったら抵抗して」

「っ、え?」




いきなり先輩にギュッと抱きしめられて、頭が真っ白になる。


ドキドキと心臓がうるさい。


離れようと身をよじると、さらに力が込められた。




「先輩っ、」

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