好きです、センパイッ!!


分からない。

睦月のこと、大切にしたい。
だけど、私はあの時、先輩に痛いぐらいドキドキさせられた。



「……私は、睦月と一緒にいた方がアンタは幸せだと思ったの。だって、いつだって睦月は小春のことを想ってくれてたから」

「……」

「でもさ、小春の幸せは、私が決めるものじゃなかったんだよね」



ギュッと、肩を掴む手に力が込められる。




「小春、しっかりしな。自分の気持ちから目を逸らしちゃダメだよ」

「え……?」


「誰かが誰かと幸せになったら、どこかで悲しむ人もいるんだよ。それは当たり前なことなの。でも、それを怖がってちゃダメだよ」




柚木?




「私、アンタにずっと隠してたことがあるの」

「隠してた、こと?」




申し訳なさそうに眉を寄せながら、柚木は言った。


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