好きです、センパイッ!!


***


ゆっくりと目を開ける。

前にあったことが夢に出てくるって、すごいことじゃない?


時計を見ると、私がこの教室に入ってから30分が経とうとしていた。


いけないっ、寝すぎた!



慌ててプリントを持って教室を出る。


先生、職員室にいるかな?

やっぱりこんなの、うたた寝の罰にしては重すぎると思うんだけど?




『どうしよう柚木!いざ目の前に先輩が来ると緊張して上手く話せない!!』

『そんなの慣れるしかないでしょ。話せるまで頑張りな』




あの後は、高広先輩と何度も廊下ですれ違ったけど、緊張して話しかけられないまま私は2年に進級した。

勇気を出して話しかけたのは2年になりたての頃。



『私の名前、覚えてます?』

『……小春?』


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