好きです、センパイッ!!
先輩に名前を覚えられていたこと、
名前を呼ばれたことは、
一生の思い出だ。
あの時の嬉しさといったら半端なかった。
「あれ、小春ちゃんじゃん!」
「え?」
うつむき気味だった顔を上げると、マフラーを巻いてカバンを背負っている柴田先輩がいた。
な、何でまだ学校に?
柴田先輩みたいな人こそ早く帰って勉強するべきじゃないの?
「あ、お前今すっげぇ俺に失礼なこと考えてたろ!!」
「えっ、エスパー!?」
「否定しろよ!」
大きな声を出す先輩に思わず笑ってしまう。
……ていうか、柴田先輩がいるってことは、もしかしたら高広先輩も?
「俺は先生に合格しましたって報告しに行ってたから遅くなったんだよ!」