好きです、センパイッ!!


私の話を、嫌そうな顔をしながらもずっと聴いてくれた。

私のことを、あの教室で待ってくれてた。


受験勉強で忙しいはずなのに、追い返すようなこともしなかった。




「……知ってます」




先輩は、冷たい人だけど実は優しい。




「良かった。もうずっと高広と話してなかったから俺心配しててさぁ」

「柴田先輩に心配される覚えはないんですけどね」

「えぇっ、急にすごい冷たいじゃん!なんで!?」




高広先輩のこと、嫌いになんてなれないよ。



「じゃあまたな!」



柴田先輩と別れて、私は職員室へ向かうために階段を下りる。


高広先輩、まだ学校にいるのかな。

……って、いたとしても私には何も出来ないしっ。

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