好きです、センパイッ!!


先輩に好きな人がいようがいまいが関係ない。
好きなものには好きって言いたい。



自分の気持ちが分からないわけじゃない。
出来ることなら気持ちを伝えたい。


でもやっぱり、また振られるのは、怖い。



プリントを持つ手に力を込めた時、私のとは色が違う上履きが目に入った。



思わず目を見開く。



顔を上げると、向こうも驚いているようだった。



「高広先輩……?」



会うのはクリスマスの日以来。

あの日のことを思い出すと顔が熱くなった。


階段の途中で足を止める。



「な、何でまだいるんですか?」

「……忘れ物、取りに来ただけ」



どうしよう、先輩の目が見れない。

< 378 / 442 >

この作品をシェア

pagetop