好きです、センパイッ!!


「優しすぎるんですよ……ただでさえ受験前なのに……」



そう小さく呟いた。



「……先輩、私、あの日のこと忘れません」



私は先輩が好きだ。

だから、忘れろ、なんてそんなこと言わないでほしいんです。




「……お前は、アイツと一緒にいた方が幸せなんだろなって、思ってた」

「え?」




その小さな声に、私は耳を傾けた。




「だから、なるみと別れた後も自分の気持ちは伝えない方がいいって、考えて」

「……」

「……でも、やっぱ無理」




先輩?




「小春、1度しか言わないからよく聞いて」




ゆっくりと起き上がった先輩は、私を見つめてこう言った。





「好きだよ」





目を見開く。


だって、まさか、そんなことを言われるなんて思ってなくて。

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