好きです、センパイッ!!


***


「あれ、なるちゃん!?何やってんのこんな時間に!」




秀人のマンションを後にしてから、随分時間が経った。

近くの公園のブランコに座ってボーッとしていた時、大きな声を出しながら現れたのは宗ちゃんだった。


高広と同じ制服……そっか、同じ高校って前に言ってたっけ。


相変わらず大きな声だなぁ、なんてそんなことを思いながら苦笑いをする。




「宗ちゃんこそ。何してたの?」

「いや俺はバイトの帰りだから!」

「そっかー」




いつもよりテンションの低い私に、宗ちゃんは心配そうな顔をする。


ガチャンと乗っていた自転車を止めて、私の隣のブランコに座った。




「……高広に振られて落ち込んでる、とか?」



真剣にそう聞いてくるから、思わず吹き出してしまった。



「まさか!そんなんじゃないよ」



もともと高広に恋愛感情はなかったし……。

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