好きです、センパイッ!!
俺の反応を見てクスッと笑う。
そんな斎藤はチラリと教室の扉の前にいる小春を見た。
「さっきみたいに先輩とのことを話されて、グサっときたりしないの?」
楽しそうに、嬉しそうに。
小春が先輩について話している姿。
何とも思わないって言ったら嘘になるけど、でも。
「変に気使われるほうが嫌な気分になる」
小春もそれを分かってる。
だからいつも通り話してくれてるんだ。
「……ま、それもそっか」
斎藤は、納得したように呟いた。
「小春のこともう諦めたの?」
「なにお前。デリカシーって言葉知ってる?」
「何よ。睦月に対して私がそういうの気にすると思う?」
「……思わない」
ドライ。クール。
斎藤ってそういう奴。
「……諦めたわけじゃない」