意地悪な集団
全部、相手のほうから。

私は気になった。
直樹の心の中を覗いてみたいくらいに気になった。

いつも親しくしている直樹だからこそ余計に気になった。


その夜―
私は眠れなかった。
あの出来事が気になって。

明日の朝、恵里奈に聞いてみることにしよう。
恵里奈なら少しぐらい情報を知っているはず。
あの恋愛に敏感な恵里奈ならきっと・・・

「実は結衣のこと―――」
直樹が言ったこの言葉。
この言葉を思い出すとなぜか不安になる。
告白されたら、なんの興味もない人でもキモくなければOKする派。
だから全部OKしてきた。

けど今は昔と違って。
気になっている人が―
好きな人がいるんだ。

だから簡単にOKする。
こんなことは、絶対に出来ない。
< 40 / 95 >

この作品をシェア

pagetop