意地悪な集団
「なんでそんなに反応すんの?」
「え・・・なんでって言われても」
和也の問いに汗って答えた。

「それより、密談って何だよ」
直樹が話の内容を変えた。
きっと、私よりも直樹の方が・・・苦しいに違いない。
フラれた側の気持ちは全くと言っていいほど、分からないけど・・・
なんとなく・・・分かるような気がする。

「ねぇ、末明?和也くんと直樹ならいいんじゃない?」
七海が誰もが驚くような事を言い出した。
「え、それってあの事を教えるって意味?男子に言っちゃ、ダメでしょ」
「そうだよっ、危険だって」
「危険なのかもしれないけど、うちは・・・大丈夫だと思うよ。和也くんと直樹は、信用できる」

「・・・末明、教えてんもいいんじゃない?」
私も共感できた。
和也と直樹は信用できる。
和也が好きだから。という理由もあるけど、本気で信用できる。

「結衣も言うんだったら・・・。あのね、うちら今日から晴香をいじめるの」
「い、じめ?」
2人とも驚いた様子だった。
「うん、そうだよ。なんか最近うざいから。ねっ?」
「うんうん。馴れ馴れしいっていうか・・・あきたんだよね。あの性格」
「バカ・・・だし!?」
「そうそう。噂じゃ・・・あ、何でもない」
大事な事を流れで言いかけてしまったのか、朱莉が話をやめる。
「え、噂って何の?」
末明の質問を聞いて、朱莉は目線を軽く私のほうへ向けて、それから、反対側にいる和也あたりに目線をずらした。

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