nude〜ハ・ダ・カ〜

初出勤

「おつかれさまです。昨日18時に来てくれって…。藍衣です。」

「あ〜はいはい。藍衣ちゃんね。学校帰り?じゃあ、セットしてもらって―…ドレスは当分は貸し衣装で。うん。その棚から選んで。それ給料から天引きになるから。」

「(あ、そっか。着替えなくちゃ。あたりまえか〜。この人は店長?かな?)あ、はい。」

とりあえずセットしてもらう。
(何!?この髪型!なんか重いし。)

やっと準備完了。

鏡に写った自分の姿を見て…。

(あっ、なんかテンションあがる!)

「おっ、良いじゃない!え〜っと店での名前は…なんか希望ある?」

ドレスに着替えた自分を見ていた時に決めていた。

「藍衣でいいです。」

「ホントに(笑)本人がそう言うなら。」

この時なぜ店長?が笑っていたのか後になって知ることになった。源氏名に本名を使う意味というか、心理というか…。




そう。これが、私のキャバクラデビュ―。これから先この街で様々な人間に会うことになる。キャバ嬢、風俗嬢、AV嬢、ヤクザ、ホストやオカマにおなべ…私の人生に偶然だけど関わってしまった人たちとの出会いや別れ。夢の為に、お金を求めて『ハダカ』になる自分もいた。

そして、この街で『恋』もした…。


もちろん、『夢』も叶えてくれた。
< 3 / 34 >

この作品をシェア

pagetop