nude〜ハ・ダ・カ〜

あゆみ

ジリリリリリ…


朝8時。

目覚ましの音で目が覚めた。

(やばいよ。今日一限からじゃん。)


「あゆみ!起きて〜。」

「う〜ん…。」


(時間ないし…タクるっきゃないっしょ。)

2人で急いで部屋を出てタクシーに乗り込む。

「学校行くのにタクシーとか(笑)うちらくらいじゃない。」 

「だね。確かに。学校終わったら買い物行こう〜ね〜」

「うん。」


お金があるとタクシーという乗り物はホントに便利に思えてしまう。


あと数分で大学の正門。そんな時にいきなりあゆみが、

「このままディズニーランド行っちゃわない?」

「はぁ?だって…やばいでしょ。授業でなきゃ…って、まぁ…行く?!」

「うん。行く!」

「ってか、買い物は?」

「買い物は…。いつでも行けるでしょ。」

「すいませんけど、行き先変更でディズニーランドまで!」

「…はい。」


お金って人間の欲望を満たしてくれる…。あの頃の私たちはいったい何を求めていたのだろう。楽しいと思える瞬間をお金で買っていたのかもしれない。

そして、今だから思えるこんな事もあの時の私と『あゆみ』にとっては考えても答えはでなかったはず。
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