宮花物語
その日の夜。

白蓮の屋敷の一角の部屋に、寝泊まりしている青蘭の元へ、信志がやってきた。

ドキドキしながら、お酒を酌み交わした後、言葉少な目に、前戯にも似た会話を楽しんだ。

お酒も、ほどほど無くなった頃、青蘭の方から信志を寝床に招いた。

着ていた服を、滑らせるように脱ぐと、そこにはふくよかな胸に、括れた腰、小振りだがたわわに実った果実のようなお尻が、姿を現した。

息を飲む信志。

そっと触れた肌は、絹のように滑らかだった。


信志は、青蘭が男を受け入れるのが、初めてだと言う事を忘れるくらい、夢中になって抱いた。

その翌日も、その翌日も。

熱心に通ってくれる信志の心が通じたのか、青蘭の冷たい心も、次第に溶けていった。

お妃になった後も、信志は熱心に、青蘭の元へ通い続けてくれた。


「青蘭……君の体は、芳しい花のようで、私の心を捉えて離さないよ。」

耳元で囁かれる、熱い言葉。
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