宮花物語
第7話 新たな刺客
信寧王の妃になってから半年。

黄杏は、体調を崩す事が多くなった。


「一度、医師に診てもらおう。」

昼間から床に伏せる黄杏を、信志は見舞った。

「お気遣いなく。寝ていれば、吐き気もおさまります。」

「だが、悪い病気だったら、どうするのだ。そうなれば、私は悲しくて、公務どころの騒ぎではなくなる。」


他の妃にも、同じような事を言っているはずだと思う黄杏だが、その言葉も今は嬉しい。

「黒音。忠仁に医師をよこすように、伝えてくれ。」

「畏まりました。王。」

黒音が部屋を出て行った後、信志はずっと黄杏の側から離れなかった。

「信志様。本当に大丈夫ですから。」

「心配させてくれ。私はそなたの、夫ではないか。」

優しい言葉と一緒に、幸せが広がっていく。

黄杏は、信志がここに留まってくれると言うなら、このまま体調が戻らなくてもいいのにとまで、思ってしまった。
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