宮花物語
「恐れながら黄杏様は、自分が愛した分だけ、信寧王様からも、愛してほしいのでは?」
黄杏は、動揺した。
胸の中が、モヤモヤする。
「相手に求めるだけでは、本当の愛とは、言えないのではないでしょうか。」
黒音の真っ直ぐな意見に、黄杏は体ごと反らした。
「……黒音は、大人なのね。」
「いいえ、口だけでございます。本当は、黄杏様が羨ましいのです。お慕いしている信寧王様と、相思相愛の仲なのですから。」
黄杏と黒音は、主従の仲だと言うのに、既に同じ妃同士のような、感覚でいた。
「黒音。あなたの事は、もう一度頼んでみますから。」
「でも、信寧王様が……」
黄杏は、また黒音の手を握った。
「白蓮様にも、後ろ楯になって頂くように、お願いしてみます。」
「黄杏様……」
黄杏は小さく頷くと、寝所へと消えて行った。
自分以外の女を、新しい妃に推薦するなど、お人好しのにも程がある。
後に残った黒音は、一人微笑んだ。
黄杏は、動揺した。
胸の中が、モヤモヤする。
「相手に求めるだけでは、本当の愛とは、言えないのではないでしょうか。」
黒音の真っ直ぐな意見に、黄杏は体ごと反らした。
「……黒音は、大人なのね。」
「いいえ、口だけでございます。本当は、黄杏様が羨ましいのです。お慕いしている信寧王様と、相思相愛の仲なのですから。」
黄杏と黒音は、主従の仲だと言うのに、既に同じ妃同士のような、感覚でいた。
「黒音。あなたの事は、もう一度頼んでみますから。」
「でも、信寧王様が……」
黄杏は、また黒音の手を握った。
「白蓮様にも、後ろ楯になって頂くように、お願いしてみます。」
「黄杏様……」
黄杏は小さく頷くと、寝所へと消えて行った。
自分以外の女を、新しい妃に推薦するなど、お人好しのにも程がある。
後に残った黒音は、一人微笑んだ。