宮花物語
第9話 相思相愛
数日して白蓮から信志へ、黒音をお妃にと、打診があった。
「どういう事だ。」
信志は、白蓮に詰め寄った。
「どうもこうもございません。備えあれば、憂いなしと申すでしょう。」
「黄杏を、捨てろと申すのか。」
「そんな事は、申し上げておりません。」
信志は、体を投げ出すように、椅子に座った。
「……今回の事は、黄杏の願いでもあるのですよ?」
「知っている。知っているから、断ったのだ。」
白蓮はため息をついた。
「黄杏の気持ちも、分かってあげてください。」
「なに?」
信志は、白蓮を睨んだ。
二人だけの時は、何度も何度も喧嘩し、睨み合う事もあったが、青蘭を妃に迎えてからは、初めてだった。
だが長い付き合いのせいか、白蓮は微塵も狼狽えない。
「都を知らず、田舎でひっそりと生きてきた女が、王の為に国の為にと、意を決して、魑魅魍魎が住む宮殿へ参ったのですよ?それなのに、子もできぬやもしれない体になってしまって。これが、どんなに辛い事か、王には分かりますか?」
「どういう事だ。」
信志は、白蓮に詰め寄った。
「どうもこうもございません。備えあれば、憂いなしと申すでしょう。」
「黄杏を、捨てろと申すのか。」
「そんな事は、申し上げておりません。」
信志は、体を投げ出すように、椅子に座った。
「……今回の事は、黄杏の願いでもあるのですよ?」
「知っている。知っているから、断ったのだ。」
白蓮はため息をついた。
「黄杏の気持ちも、分かってあげてください。」
「なに?」
信志は、白蓮を睨んだ。
二人だけの時は、何度も何度も喧嘩し、睨み合う事もあったが、青蘭を妃に迎えてからは、初めてだった。
だが長い付き合いのせいか、白蓮は微塵も狼狽えない。
「都を知らず、田舎でひっそりと生きてきた女が、王の為に国の為にと、意を決して、魑魅魍魎が住む宮殿へ参ったのですよ?それなのに、子もできぬやもしれない体になってしまって。これが、どんなに辛い事か、王には分かりますか?」