宮花物語
「王?」
「ただ……分かってくれ。」
白蓮は、息が止まりそうになった。
「ええ……分かっております。黄杏はいい妃です。」
すると信志は、久々に白蓮に笑顔を向けた。
「そうであったな。さすがは私の伴侶よ。」
そう言って信志の手は、スルッと離れて行った。
”伴侶”と呼ばれて、嬉しいはずの白蓮。
だが白蓮を照らす月明かりは、寂しいものだった。
そんな白蓮を置いて、信志が向かった先は、恋しい妃・黄杏の屋敷だ。
「お待ちしておりました。」
黄杏は毎晩、信志を笑顔で迎えてくれた。
自分への気持ちは、変わっていない。
そう思えた黄杏は、どこか吹っ切れたのだ。
そして信志も、あの村で逢瀬を交わしていた黄杏に戻ったみたいで、また熱くなっているのが分かっていた。
誰にも知られていない恋に、互いだけを信じあっていた日々。
そんな甘い時間が、今もこうして二人の間に、流れているのだった。
「ただ……分かってくれ。」
白蓮は、息が止まりそうになった。
「ええ……分かっております。黄杏はいい妃です。」
すると信志は、久々に白蓮に笑顔を向けた。
「そうであったな。さすがは私の伴侶よ。」
そう言って信志の手は、スルッと離れて行った。
”伴侶”と呼ばれて、嬉しいはずの白蓮。
だが白蓮を照らす月明かりは、寂しいものだった。
そんな白蓮を置いて、信志が向かった先は、恋しい妃・黄杏の屋敷だ。
「お待ちしておりました。」
黄杏は毎晩、信志を笑顔で迎えてくれた。
自分への気持ちは、変わっていない。
そう思えた黄杏は、どこか吹っ切れたのだ。
そして信志も、あの村で逢瀬を交わしていた黄杏に戻ったみたいで、また熱くなっているのが分かっていた。
誰にも知られていない恋に、互いだけを信じあっていた日々。
そんな甘い時間が、今もこうして二人の間に、流れているのだった。