宮花物語
それほどまでに優秀な役人だったと言うのに、妹の為にその道を捨てて商人の身になるとは。
きっと今回の事も、妹の身を案じて、駆け付けたに違いない。
そんな事とは全く知らず、このまま不埒者として、命を落としかねないなんて。
勇俊の目から、涙の滴が一粒零れた。
「……私にできる事は、少ないかもしれません。ですがお二人を救う為に尽力させてください。」
「護衛長!」
黄杏と将拓に、笑顔が戻った。
「さあ、お二人共。お休みください。明日は、長くなりそうです。」
二人は頷くと、将拓の上着を寝床に、黄杏の着物を掛け、寄り添って眠りについた。
それを傍らで見守っていた勇俊は、この二人に幸せが来るように祈るしかなかった。
そして翌日。
白蓮が朝、広間を訪れた時には、黄杏と将拓揃って、静かに待っていた。
「……よく、眠れましたか?」
「はい。」
その中で勇俊の表情が変わっている事を、白蓮は見過ごさなかった。
きっと今回の事も、妹の身を案じて、駆け付けたに違いない。
そんな事とは全く知らず、このまま不埒者として、命を落としかねないなんて。
勇俊の目から、涙の滴が一粒零れた。
「……私にできる事は、少ないかもしれません。ですがお二人を救う為に尽力させてください。」
「護衛長!」
黄杏と将拓に、笑顔が戻った。
「さあ、お二人共。お休みください。明日は、長くなりそうです。」
二人は頷くと、将拓の上着を寝床に、黄杏の着物を掛け、寄り添って眠りについた。
それを傍らで見守っていた勇俊は、この二人に幸せが来るように祈るしかなかった。
そして翌日。
白蓮が朝、広間を訪れた時には、黄杏と将拓揃って、静かに待っていた。
「……よく、眠れましたか?」
「はい。」
その中で勇俊の表情が変わっている事を、白蓮は見過ごさなかった。