宮花物語
その日の夜。
紅梅は早速、王である信志に、黄杏の元へ通うように促した。
「黄杏の元へ?」
「はい。今日、黄杏さんとお話させて頂きましたが、とても寂しがっておられましたよ。」
そう言うと、信志はどこか複雑そうな顔をした。
「……そうは言っても、そなたには子が産まれるのだし。」
「それは、王の言い訳ではありませんか?」
紅梅と信志は、しばし見つめ合った。
「言い訳?私が、黄杏を避けているとでも?」
「はい。私に先に子ができました故、黄杏さんに合わせる顔がないのでは?」
信志は、紅梅から目線を反らした。
「やはり、そうなのですね。」
紅梅はここでも、ため息をついた。
紅梅から見ても、二人が思い合っているのは、明々白々。
すれ違っている原因だとすれば、自分しかないのだ。
「黄杏さんは、私に子ができた事など、なんとも思っていませんよ。」
信志は、ちらっと紅梅を見る。
紅梅は早速、王である信志に、黄杏の元へ通うように促した。
「黄杏の元へ?」
「はい。今日、黄杏さんとお話させて頂きましたが、とても寂しがっておられましたよ。」
そう言うと、信志はどこか複雑そうな顔をした。
「……そうは言っても、そなたには子が産まれるのだし。」
「それは、王の言い訳ではありませんか?」
紅梅と信志は、しばし見つめ合った。
「言い訳?私が、黄杏を避けているとでも?」
「はい。私に先に子ができました故、黄杏さんに合わせる顔がないのでは?」
信志は、紅梅から目線を反らした。
「やはり、そうなのですね。」
紅梅はここでも、ため息をついた。
紅梅から見ても、二人が思い合っているのは、明々白々。
すれ違っている原因だとすれば、自分しかないのだ。
「黄杏さんは、私に子ができた事など、なんとも思っていませんよ。」
信志は、ちらっと紅梅を見る。