宮花物語
「でも、私は……あなた様の事が、誰よりも好きだから……あなた様とのお子を、私が産みたいと思うのです。」

それを聞いた信志は、黄杏の肩を掴む。

「嬉しいよ、黄杏。」

信志は、黄杏を壊れる程、強く抱きしめた。

「私も、そなたに私の子を、産んでほしいと思う。」

「信志様……」

見つめ合った信志と黄杏は、どちらからともなく、寝台へと横になった。


久しぶりの、二人の情事。

朝がくるのも分からない程、何度も何度も情熱的に抱き合った。


「愛してるよ、黄杏。」

「私もです、信志様……」


それから、2か月後。

黄杏に、懐妊の兆しが現れた。

医師が診断したところ、黄杏は子を身ごもっていった。

直ちに、忠仁は黄杏の懐妊を宣言した。


その事を誰よりも喜んだのは、愛し合う信志と、

黄杏の為に、人生を捧げた兄・将拓だった。
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