宮花物語
それを聞いて黄杏は、信志の胸元に、自分を預けた。
「他のお妃方は、違ったのですね。」
「ああ。白蓮は勝手に決められていたし、青蘭は隣の国を攻め滅ぼした時に、忠仁から妃にしてはと勧められたのだ。紅梅は半ば、妃にしてくれと頼まれたと言うのもあるし、黒音は子を作る為と割り切って迎えた。黄杏だけだな。恋しくて、ずっと側に置きたいと思った女は。」
そう言われてしまえば、さっき嫉妬した自分が、なんだか馬鹿らしく思えてきた。
そう、最初から嫉妬する必要など、なかったのだ。
「これで、青蘭の事は見逃してくれるかな。」
黄杏は、目をパチクリとさせた。
「青蘭は、忠仁に勧められたとしても、一目で気に入ってしまったのは、否定できない。それに……」
「それに?」
「女を抱きたいと思うのは、男の性と言うか……」
黄杏は、信志の太ももを抓った。
「痛い!王の太ももを抓るとは!」
「これで許して差し上げます。」
黄杏は、こっそりと舌を出した。
「他のお妃方は、違ったのですね。」
「ああ。白蓮は勝手に決められていたし、青蘭は隣の国を攻め滅ぼした時に、忠仁から妃にしてはと勧められたのだ。紅梅は半ば、妃にしてくれと頼まれたと言うのもあるし、黒音は子を作る為と割り切って迎えた。黄杏だけだな。恋しくて、ずっと側に置きたいと思った女は。」
そう言われてしまえば、さっき嫉妬した自分が、なんだか馬鹿らしく思えてきた。
そう、最初から嫉妬する必要など、なかったのだ。
「これで、青蘭の事は見逃してくれるかな。」
黄杏は、目をパチクリとさせた。
「青蘭は、忠仁に勧められたとしても、一目で気に入ってしまったのは、否定できない。それに……」
「それに?」
「女を抱きたいと思うのは、男の性と言うか……」
黄杏は、信志の太ももを抓った。
「痛い!王の太ももを抓るとは!」
「これで許して差し上げます。」
黄杏は、こっそりと舌を出した。