宮花物語
王宮では、毎朝神殿にて、王である信志とそのお妃達が、国家の安寧を願って、皆で祈りを捧げる。
「今日も一日、何事もなく、務めを果たそう。」
「はい。」
そして、一人また一人と、妃達が自分の屋敷に戻って行く中、黄杏だけはまだ、神殿にとどまっていた。
それに気づいた白蓮が、黄杏に声を掛けた。
「黄杏?何かあったのですか?」
「白蓮奥様。何もありません。」
だが黄杏は、考え深そうに、祭壇を見つめている。
白蓮は、そんな黄杏の隣に、そっと腰を降ろした。
「そう言えば黄杏の前の御子は、この時期に、離れていってしまいましたね。」
それを聞いた黄杏は、驚いた顔で、白蓮を見た。
「……覚えていて下さったのですか?」
「ええ。あなたの事も、黒音の事も、紅梅の事も、王の御子の事は全て覚えています。」
そう言うと白蓮は、にっこりと笑った。
その微笑みに、黄杏の顔も緩んでいく。
「今日も一日、何事もなく、務めを果たそう。」
「はい。」
そして、一人また一人と、妃達が自分の屋敷に戻って行く中、黄杏だけはまだ、神殿にとどまっていた。
それに気づいた白蓮が、黄杏に声を掛けた。
「黄杏?何かあったのですか?」
「白蓮奥様。何もありません。」
だが黄杏は、考え深そうに、祭壇を見つめている。
白蓮は、そんな黄杏の隣に、そっと腰を降ろした。
「そう言えば黄杏の前の御子は、この時期に、離れていってしまいましたね。」
それを聞いた黄杏は、驚いた顔で、白蓮を見た。
「……覚えていて下さったのですか?」
「ええ。あなたの事も、黒音の事も、紅梅の事も、王の御子の事は全て覚えています。」
そう言うと白蓮は、にっこりと笑った。
その微笑みに、黄杏の顔も緩んでいく。