宮花物語
驚いたのは、両親だけではなかった。
「村を出て行く!?」
隣で聞いていた将拓も、膝を立てる程驚いた。
「今の信寧王に、黄杏殿が何を言っても、妻にするの一点張りでしょう。だが、黄杏殿がいなくなったと言えば、嫌でも諦めましょう。」
黄杏は、頭が真っ白になった。
「そんな……あなたは、二人の愛の深さを、ご存じないのか。」
「愛の深さ?そんな事は、一般人の戯れ言。国をまとめる王には、必要なし!」
これには、父も腑に落ちなかった。
「何を仰せか。国の頂点に立つお方こそ、情愛の深さが必要だと、お思いにならないのか!」
「ならば、この国を再び、内乱の渦に巻き込まれるおつもりか!」
父と忠仁は、しばらくの間、睨み合いを続けた。
「……我が息子が、将来内乱を起こすと、仰るのか。」
「決めつけはよくないが、そのご子息のその格好。地方の役人と、お見受けした。」
「いかにも。」
「村を出て行く!?」
隣で聞いていた将拓も、膝を立てる程驚いた。
「今の信寧王に、黄杏殿が何を言っても、妻にするの一点張りでしょう。だが、黄杏殿がいなくなったと言えば、嫌でも諦めましょう。」
黄杏は、頭が真っ白になった。
「そんな……あなたは、二人の愛の深さを、ご存じないのか。」
「愛の深さ?そんな事は、一般人の戯れ言。国をまとめる王には、必要なし!」
これには、父も腑に落ちなかった。
「何を仰せか。国の頂点に立つお方こそ、情愛の深さが必要だと、お思いにならないのか!」
「ならば、この国を再び、内乱の渦に巻き込まれるおつもりか!」
父と忠仁は、しばらくの間、睨み合いを続けた。
「……我が息子が、将来内乱を起こすと、仰るのか。」
「決めつけはよくないが、そのご子息のその格好。地方の役人と、お見受けした。」
「いかにも。」