宮花物語
「うん……でも、どうやら私達は、夫婦になる為に、その……裸同士で、睦合わなくてはならないらしい。」

「夫婦?私達は、もう10年も前から、夫婦なのに?」

裸になった白蓮は、白い肌の上、胸も大きかった。

「白蓮!」

寝台に押し倒した白蓮は、見た事もない真剣な顔をした信志に、クスクス笑い始めた。

「……何が、可笑しい?」

「だって急に、真面目な顔をするんですもの。」

信志は、小さくため息をつきながら、白蓮の上に倒れこんだ。


「……信志の体、温かい。」

「白蓮の体も、温かいよ。」

二人は照れながら見つめ合うと、少しずつ少しずつ、本当の夫婦になる為に、肌を合わせだ。


あの夜と同じ事を、信志は新たな妃と、重ねて行く。

白蓮はその度に、何とも言えぬ黒い感情を、一人で持て余すのだった。



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