キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
学校で笑顔の理香子ちゃんを見ると、胸が切なくなる。
あんなに美樹ちゃんのことが大好きで、心配しているのに、本当だったら今頃、美樹ちゃんとの関係で悩んでいたのだと思うと……悲しくなる。
そしてどんどん日にちが進み、文化祭の準備が着々と進行され、日記もまちまちで更新されていく。
【十月一日。
みんなも理香子にイタズラするようになった。
放課後、泣いてる理香子を見た。だけど声は、かけなかった。】
【十月六日。
理香子が先週の金曜日から学校に来なくなった。
文化祭まであと少し。隼人のマジックショーの大事なアシスタントの仕事を担っているのに。
このまま来ないつもりかな。】
いじめは、ほんの些細なすれ違いで起こってしまうことなのだと、日記を読んでいて気づいた。
あんなにお互いが大好きだったのに。こんなことって、あるんだ……。
日記の中で起きている事象はその通りだったことを証明するかのように、実際、理香子ちゃんは隼人くんのマジックショーのアシスタントを担っている。私も、だけど。
美樹ちゃんは、本当に、理香子ちゃんのことが嫌いになっちゃったのかな……。
いじめて、悲しませて、苦しませて、本当の本当に、心のモヤモヤが晴れてスッキリしているの?
私はいじめられていたから、理香子ちゃんの気持ちしかわからない。
たとえどんな理由があっても、誰かを傷つける理由が共感されることはない。肯定されることも、あってはいけないことだと思う。
誰かを「死にたい」と思わせる行為は、「殺人」と同じことだと思うから。未必の故意。
理不尽だよ、だって。いじめられている私たちは悪いことしてない。