キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。


茶化すような先生の口ぶり。クスクスと笑い声が聞こえた。馬鹿にされたような気がして、心がざわついた。貶されることには、慣れている。けれどそれは、心に傷がつかないこととイコールじゃない。


恥ずかしくなって、俯いた。首から上が途端に熱くなる。顔、きっと真っ赤だ。


見られたくない。誰にも。私のこと、見ないでほしい。



「大丈夫だよ」



降ってきた声。机を見たままでもわかる。誰がそう言ってくれたのか。穏やかで、優しい声色。涙が溢れそうになる。


優しくされることには、慣れていない。
いじめられていたとき、誰も助けてくれなかったから。
いつもひとりぼっちだった。



< 16 / 145 >

この作品をシェア

pagetop