キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
それでも、本音では助けてほしかった。
飛び降りる前、マンションのベランダから見ていた星空は綺麗だった。すべてを諦めて、すべてを捨てて壊れた心はとても軽かった。
終わるはずだった。私の人生。
全部、なくなるはずだった。
なのに私はなんでまだ生きてるの?
夢なんか、もういい。夢だったら、もう覚めてほしい。私のままじゃ、生きていたってまた同じことになるだけ。いじめられる。
今更"普通の女の子"になんて、なれないよ。
普通の女の子の姿をしていたって、中身が私じゃダメなの。
新垣ゆりは消えないと、ダメなの。
新垣ゆりではまともに生きていけない。
弱虫で、陰湿で、地味で、根暗。
こんな性格で、こんな残酷な世界で、生きていけるわけないんだ。
みんな、自分が好きで、自分が大切なんだ。
だけど私は私が嫌い。
誰かから新垣ゆりが好かれることは、永劫ない。
そういう星の元に生まれてしまった。神様が人間をつくっているとしたら、私は神様の失敗作。
両親だって、私みたいな娘じゃなくて、もっと愛嬌のある娘が欲しかったに違いない。
いじめられなくて、自殺なんてしなくて、親よりも長生きする娘がよかっただろうに。
ごめんなさい。
こんな私が生まれてきてしまって。
「──美樹?」
近くで呼ばれてハッと我にかえる。
顔をあげると、そこには心配そうに顔を歪めた理香子ちゃんがいた。