キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。


帰宅後、目覚めたときと同じようにベッドに横たわった。
慣れない土地、慣れない人間関係、理解できない現状。すっかり疲れてしまった。


どうして私はまだ生きて、息をしているのだろう。
心から死にたいと願って、飛び降りたのに。


"命を粗末にしてはいけない。生きたくても生きられない人もいるのだから。"


それは、正しい意見なのかもしれない。だけど、生きたくても生きたくないと願ってしまう人間もいるのだ。人間はみんながみんな、強いわけじゃない。


いじめに負けずに強く、逞しく、生きていけるわけじゃない。


私の命を生きたくても生きられない誰かにあげることができるのなら、私はあげても構わない。


私の代わりに生きて。私が代わりに死ぬから。


ベッドから起き上がると、制服を脱いだ。皺にならないように丁寧にハンガーにかけて、机に向かって座って、日記を開いた。


綾瀬美樹について興味が出てきたからだ。


どんな女の子だったらあんなにみんなに好かれるのだろう?


登校すればすぐ、みんなに挨拶されて、理香子ちゃんという親友までいる。


どういう人柄だったら、同じ年の女の子が、私とは正反対の人生を歩めるのか。


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