キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
【五月十二日。
理香子ちゃんと仲良くなったから、お互いに呼び捨てで呼び合おうということになった。
まだ理香子って呼ぶことには慣れてないけど、信頼できる友達ができて嬉しい。
いつか理香子って呼ぶことが普通になれば嬉しいな。】
【五月二十日。
言いたいことがあったら、私は迷わず言っちゃうから、今までは友達ができても、すぐ私のそばから離れていった。
だから全然本当の友達ってできなかったけど、理香子は私のことを見捨てなかった。
クラスメイトと喧嘩になりそうになったときは止めてくれて、叱ってくれた。
我慢も必要だよって、優しく言ってくれた。
こんな友達、初めて。】
【六月三日。
今日は理香子とちょっと遠出しておしゃれなカフェに行ってきた!
映える写真もいっぱい撮れたし、あとでSNSにアップしなくちゃ。】
綴られていたのは、たくさんの理香子ちゃんとのことだった。
理香子ちゃんのことが大好きなのが伝わってきたし、理香子ちゃんが美樹ちゃんのことが大好きなことも今日一日過ごしただけで伝わった。
……結局、そういう運命だったのか。
私は心から大好きになれる友だちに出会えなかったし、私のことを心から信頼してくれる人にも出会えなかった。
美樹ちゃんは言いたいことを言ってしまう自分の短所を知っていて、友だちができなかったと言っている。でも、理香子ちゃんに出会えた。それで救われて、幸せな高校生の女の子になれた。
神様は、なんて不公平なんだろう。
私にも出会わせてくれたって、いいじゃないか。