キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
ものすごく惨めだ。現実を改めて見せつけられているかのよう。
"お前は神様に見放されているから諦めろ。そもそもお前が生まれたこと事態が間違いで、だから誰とも関係を構築できなかったんだ。"
そう、悪魔に囁かれている。頭がとても痛い。
死にたい……。
私、不幸になるために生まれてきたのかな?
そうとしか思えない。
ふと今朝のことを思い出して、かばんの中にしまっていた花束を取り出した。
突然目の前に現れた花束。それを差し出す笑顔の隼人くん。
これを受け取ったときは、嬉しかった……。
花弁に触れる。どういう仕組みなのかは、わからない。
『また屋上においで』
優しい声色だった。今も心地いい低音が耳に優しく染みついている。
今日眠りについたら、元の私に戻るのな。そしたら、ようやく死ねるのかな。
そうだったら、もう一度だけ隼人くんの手品を見たかったかもしれない、なんて。
でも私の人生なんて、早く終わればいいんだ。
隼人くんに出会えたことは、新垣ゆりとしての私じゃ叶わなかったことだ。
これは間違いだったんだ。なにかの、誤り。
なにより夢かもしれないしね。
机に突っ伏して、ふと居眠りしかけていたとき、リビングのほうから「お風呂入っちゃってよ!?」という母の声が飛んできた。彼女のことを母と言うことも違和感でしかないけれど。
もしも、これが夢じゃなかったとしたら、四十九日前の生きている私も、この世界にいるのだろうか?