キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。


指先でつまんでみると、数字が歪む。


なんの数字なんだろう……?四十九……?


タイムスリップした日にちと共通しているところを見ると、色々予想してしまう。
もしかしてこれ、カウントされてたりするのか?



「…………」



考えてもわからないことだらけだ。現実じゃ有り得ない。私が生きていることも、違う女の子の身体に入っていることも、この数字でさえ。


もう、驚きの連続すぎて、リアクションが取れなくなってきた。


湯船には浸からずにお風呂場を出た。
そのあとは美樹ちゃんの家族と夕飯を食べて部屋に戻った。暗い部屋のまま、ベッドに寝転んだ。


美樹ちゃんのお母さんがすごくお喋りな人で、ずっとひとりで話しているのをお父さんと私が時折頷いたり質問したりして時間が進んでいった。


捗る家族団欒の会話に、私はひとり寂しい気持ちになったいた。


自殺した私がこんなことを言うのは烏滸がましいけれど、本当のお父さんとお母さんに会いたい……。


死んでしまえばなくなると思っていた感情、記憶があることが、今は辛い。


両親への申し訳なさと、いじめられていたときの記憶。


迷いは私の命と同時になくなると思っていた。
消えるどころか摩訶不思議な現象が起こってしまっているが……。



「……寝よ」



ひとりでに呟いて、瞼を閉じた。

ここで本当に私の人生が終わればいい。


もうほんと、生きていたくなんか、ないんだから。



***



けれども私はまた、目覚めてしまった。
ぼんやりした視界と思考がはっきりしてくる。


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